先輩インタビュー

からくりを学ぶため、
1年間社内留学中!

大口工場 大口製造部 大口製造一課 管理G 後藤 慧 GOTO SATORU

PROFILE

所属部署名
大口工場 大口製造部 大口製造一課 管理G
経歴
学園卒業(2020年2月)→ 大口製造課 OS2係(2020年3月)→ 大口製造一課 管理G(2021年4月)
出身高校(学科)
大分県大分工業高等学校(機械科)
高校時代の部活動
ウェイトリフティング部

学園生活

入学のきっかけ

私は地元企業への就職は考えておらず、卒業したらどこでもいいから県外に出て働きたいな、程度にぼんやりと考えていました。しかし特にやりたいこともなく、就職先はなかなか決められませんでした。そんな時に担任の先生から「まだ誰も行ったことのない企業だけどいい企業だから行ってみないか?」と勧められました。
 学園という制度、海外研修や富士登山訓練という様々な教育カリキュラム、修了後の進路の広さなどに惹かれるとともに、自動車産業に携わること、海外で働くことにも興味が出てきたため入学を決意しました。

学園入学して思ったことや感じたこと

まず感じたのが「会社から向けられる学園生への期待の大きさ」です。ちなみにこれは、学園を修了した今でも感じています。
また入学後すぐに行われた前期合宿では動作の一つ一つを厳しく指導され、とてもきつくて大変な訓練だと思いました。しかし私たちは会社から、職場の核を担って欲しいと期待されている存在です。厳しい指導の中で得られたことは、将来、職場を引っ張っていくために必要な事ばかりでした。前期合宿はとても大変な訓練ではありましたが、私自身が高校生から社会人に変わるきっかけとなった訓練でもありました。

記憶に残っている訓練や出来事とその理由

一番記憶に残っているのは「佐吉想路(長距離歩行訓練)」です。言ってしまえばこれは「60kmをただ歩くだけ」の訓練です。ただし60㎞を歩くのは簡単なことではありません。歩き切るには体力はもちろん、気力も必要になります。そして私が感じた一番大切なものが「仲間の存在」です。たった一人で60㎞を歩き切らなければならないと思うと、簡単に心が折れてしまいます。しかし班員と声を掛け合い、励まし合いながら歩けば、不思議と長い距離を歩くことができました。きつい、つらいと思った時でも、班員が声を掛けてくれたことで先に進むことができました。私はこの訓練で、仲間の大切さ、ありがたさを改めて実感しました。

学園を通して自分が成長できたこと

「自ら考え・行動すること」です。高校生の頃の私は周囲に合わせることが多く、あまり自分で考えて行動することができていませんでした。しかし学園に入学してからは自ら班リーダーにも立候補し、みんなをまとめるために考えることが多くなりました。班員10名、そして学園全体の約40名に指示をする時、どうやって指示を出すのが最善なのかを常に考えていました。また、指示を出すリーダー自身が率先して行動していなければ誰もついてこないと思い、リーダーとしてどんな行動をすべきなのかも考えて動くようになりました。

学園に入学してよかったと思うこと

シンプルですが「人として成長できたこと」です。学園は集団生活ですので、その中で私は人として大きく成長することができました。
班リーダーに立候補すること、リーダーとしてどうすべきか考えて動くこと、話し合いの場を自分達で設けること、問題解決のために全員で話し合うこと、様々な意見をまとめること、これらは全て集団生活をしていないと出来ないことです。また国内外から集まった仲間と共に生活しながら学ぶことで、たくさんの刺激を受けることができ、多くの経験を積むことができました。
訓練は正直きついと思うことも多かったですが、その分学園だからこと得られる経験もたくさんすることができました。

現在の業務

業務の内容・担当業務

この1年間(2022年度)は「からくり」を学ぶため、からくり専門の教育部署に留学しています。
普段は現場の声を聴き、自らの目で見て工程内の3ム(ムリ・ムラ・ムダ)を探し、からくり機構を用いて改善するのが仕事です。また、ただ改善するだけでなく製作した部品が破損・経年劣化することを想定し、修理も可能なようにCADを用いての図面製作も行っています。そして製作した機構の報告会などもあり、ときにはプレゼン資料を作成して発表も行います。

仕事のやりがいや好きなところ

からくり機構の製作にはとても頭を使います。そして求められるのは「勉強ができる賢さ」ではなく、どれだけ閃けるか・どれだけアイデアを出せるかという「柔軟な賢さ」です。そのため今まで誰も思い浮かばなかったような斬新なからくり機構を思いつき、実際に形いできた時はとても嬉しいです。また日常の何気ない一瞬や、何気なく見て・使っているような身近なものが閃きのヒントになることもあるので、今まで興味のなかった物に興味を持つこともあり公私ともに充実した時間がおくれています。

学園生活で学んだことが現在の業務にどう活かされているか

考えることです。学園時代、班長として周囲のことを考え、気配ってきたことが、今は使用する作業者への気配りとして活きています。
またからくり機構の製作で行き詰った時、様々なモノからヒントを得て、製作している機構にどう活かせるか考えるのは、学園時代に「考える癖」をつけることができたからだと思います。

会社生活での苦労と克服した時のエピソード

高校・学園時代にCADを使ったことがあると話していたため、上司から外注用のCAD図面作成を依頼されました。しかしそのCADソフトは私がこれまで使ってきた物とは全く異なる物だったため、操作方法を一から独学で学ぶ必要がありました。わからないことは必死で調べ、わかりやすい図面になるように何度も添削をしていただき、何とか仕上げることができました。自分一人では困難な仕事でも、周囲と協力すれば必ず成し遂げられるんだと感じました。

1日のスケジュール

さいごに

会社生活や私生活の今後の目標

仕事の目標は「からくりと言えば後藤だ!」と言ってもらえるような人材になることです。そのためにも人の役に立つような数多く生み出したいと思っています。そして現場のからくり改善や企業のからくり展にもたくさんの良いからくりを出展したいです。
そして私生活では、様々な場所に行ってみたいです。日本だけにとどまらず、海外にも行って、誰もやったことの無いような経験をしたいです。

トヨタ紡織学園を志す後輩へメッセージ

高校を卒業してすぐに社会に出ていくことに対して、不安を抱く人も多いと思います。私はそんな人にこそ学園に入学して欲しいと思っています。学園は自分を成長させてくれる場所です。技能などのスキルだけでなく、様々な訓練や集団行動を通して「考えて行動できる人材づくり」もできます。
また学園生は修了後の進路の幅も広いです。そのため修了生はモノづくりの最前線で活躍する人や、現場から一歩離れて外側から支える人、さらには日本だけでなく海外で活躍する人などたくさんの人がいます。修了後にも努力を続ければ、なりたい自分になることができます。
11ヶ月の学園生活を通して、自分がどんな仕事をしたいのか、どんなことが得意なのかを考え、やりがいと誇りを持って仕事ができる人になっていただきたいと思います。